【完】るーむしぇあ。
綾香ちゃんの突然の言葉に驚き、出しかけた1歩を引っ込める。


「止めないで綾香ちゃん……私は行かなくちゃいけないのっ」


「……」


「……?」


「おねえちゃん、お兄ちゃんのバイト先知ってるの?」


……!!

確かに今の時間はバイトだった。


綾香ちゃんはクスッと笑って、私に紙とペンを渡すように言う。

渡したノートの切れ端には簡単な地図が描かれて、『きっさ かげつ』と文字が添えられている。


「かげつっていうのがお店の名前だよ。今から行けばちょうどバイト終わる時間だと思う」


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