【完】るーむしぇあ。
声が少し震えた。
頑張れ、私。


「和希くんに聞きたいことがあって……」


和希くんは自転車を押して私の近くに歩いてくる。


「ん?なに?」


「えっと、和希くんは……」


「うん?」


あぁなんで?!
上手く言葉が出てこない。


「木下さんと付き合ってるの?」


言った。ちゃんと言えたぞ陽菜。


「……それは……」


「かずくん、もう、いいの」


坂の下から声がして慌てて振り向くと……木下美波が立っていた。


彼女はなんでここにいるの?

和希くんも彼女の登場に驚いているところを見ると、待ち合わせしてたわけじゃないんだ。
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