【完】るーむしぇあ。
「私あの時夢見ててね、さっきみたいに和希くんがキスしてくれる夢」
「……」
「え?」
「……」
そんな夢見るなんて、さすがに引かれたかな……。
急に黙りこくった彼を心配して表情をのぞき込んだら、ぷいってされて、さらに動揺する私。
「……起きてたんだ」
「え?!」
「起きてないと思ったのに」
ちょうど真上にきた外灯が表情を照らすと、彼の頬は微かに赤い。
「え……うそ……」
あれ、夢じゃなかったんだ。
あんな夢うつつ状態だったなんて超もったいないことした!!
しかもさっきもよくわかんなかったし!!
だったら、だったら──
「もう1回お願いします!!」
私は立ち止まって目を閉じた。