【完】るーむしぇあ。
「……」
「……」
「……」
「……」
ペシッ
「痛っ?!」
おでこに痛みを感じて目を開けると、和希くんはすでに自転車に乗ろうとしているところだった。
「調子に乗らないの」
「和希くん待ってよー」
進み始めた背中を追って少し走るけど、坂道を下る自転車は加速して外灯のない道に消える。
呆れられちゃった。
陽菜のバカ!!
ショックを受けながらとぼとぼと歩いていると、少し先の外灯の下に自転車が待っていた。
「早く乗って」