【完】るーむしぇあ。

「うわっ!!」


声をかけられて慌てて振り返ると、バランスを崩してコンクリートの上に倒れこんだ。

っま、低い石段の上から落ちただけだから大したことはないけど。


「大丈夫?」


声をかけてきたのは、30代半ばくらいの女の人だった。

服装を見るとどうやら看護師さんみたい。


「あ、大丈夫です」


「で、何してたの?」


「あの、中から音楽が聞こえてきてそれで……って、うわっ?!」


私は、突然、腕をぐいっと掴まれて引き上げられたことで、きょとんとしてしまった。
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