【完】るーむしぇあ。

「まあ、そんなことはいいわ。別に悪い子じゃなさそうだし。そんなことより、こっちに来て」


左手首を掴まれてぐいぐい引っ張られていく。

半分引きずられるようにして、私は白い建物の入り口に連れて行かれた。


ど、どうなっちゃうんだ私……。



建物には『わかば病院』の文字。

それを認識したのも束の間で、そのまま処置室と書かれたドアの中に入れられ、座らされる。


「はい、ちょっとじっとしてて」


言われるがままじっとしていると、看護師さんは私の手やひざを消毒してくれた。

気付いてなかったけど、さっきすりむいてたみたいだ。
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