【完】るーむしぇあ。
* * * * *
「上原さーん、これこっちでいいんですかー?」
「いいよーそっちに持って行っておいてー!」
十数分後、私はシーツやタオルが満載されたプラスチックの大きなカゴを持って走り回っていた。
屋上には次々と真っ白なシーツが広げられ、風で棚引くその様子は、まるで雲の上にいるようだった。
さっきの看護師さんは、上原律子さんという名前だということは教えてもらったが、何故私が洗濯を手伝っているのかについては謎のままだ。
でも、風は澄んでいて気持ちがいいし、体を動かすのも結構楽しいから細かいことは後でいっか!
夢中になってすべての洗濯物を干し終えると、少し汗ばんでいた。