【完】るーむしぇあ。
「綾香は元気に見えたかもしれないけど、今日はすごく体調がいいだけなんだ。みんなと同じように普通の生活をするのは……難しい」
「そっか。土曜日はいつもここに来てたんだね」
彼は静かにうなずき、そして少し寂しそうに笑った。
「土曜日しか来ちゃだめだって、綾香が言うから」
どうしてだろう?
綾香ちゃんは和希くんのこと大好きなんだろうなって感じたけど。
だけどそれ以上彼は言葉を続けなくて、ハードカバーの分厚い本を取り出して読み始める。
私は戻ってきたりっちゃんとお茶を飲み始めたけど、彼女はすぐに仕事に戻ってしまった。