【完】るーむしぇあ。
「あ、あの初めまして!和希くんのクラスメイトの佐々木陽菜ですっ!」
お母さんは緊張で固まる私に優しく微笑んでくれた。
「ママ、おねえちゃんがね、本を貸してくれたんだよ」
綾香ちゃんは私が持ってきたたくさんの本を自慢気に掲げる。
「陽菜さん、綾香のためにわざわざありがとう。まあ、和希ったらいつの間に……」
「あ、え、いえ、違うんです!」
「和希ったらね、1人暮らし始めたのに絶対来るなって言うのよ」
それは私がいるからです……なんて言えない。
「でも陽菜さんみたいな子がいてくれるなら安心ね」
「いえ、あ、あははは……」
ど、どうしようかな……。