【完】るーむしぇあ。
6.恋の痛みを知るほどに
◇◇◇
「佐々木さん、よろしくね」
固まった私に気付かない様子で、木下美波は微笑みながら私の横の席に座った。
和希くんのことを好きになって4年目。
その中で和希くんが女の子を名前で呼んだことなんてなかった。
少なくとも"佐々木"と呼ばれる私より、"美波"って呼ばれてる彼女の方が近い間柄に思える。
な、な、何が起こったんだろ。今。私に。
お、お、落ち着け陽菜。
「――……な……はる……陽菜ってば!!」
「っわ!!」
「まったくもう……大丈夫?音楽室に移動だよ?」
美雪の呆れ顔と葵の心配顔が私を覗き込む。
「佐々木さん、よろしくね」
固まった私に気付かない様子で、木下美波は微笑みながら私の横の席に座った。
和希くんのことを好きになって4年目。
その中で和希くんが女の子を名前で呼んだことなんてなかった。
少なくとも"佐々木"と呼ばれる私より、"美波"って呼ばれてる彼女の方が近い間柄に思える。
な、な、何が起こったんだろ。今。私に。
お、お、落ち着け陽菜。
「――……な……はる……陽菜ってば!!」
「っわ!!」
「まったくもう……大丈夫?音楽室に移動だよ?」
美雪の呆れ顔と葵の心配顔が私を覗き込む。