【完】るーむしぇあ。
そんな私の中のちょっとした"ムカッ"には気付かない様子で、木下美波は言葉を続ける。


「佐々木さんも補習なの?私も一緒だからよろしくね」


「え?木下さんも点数悪かったの?」


ふふっ、私と同レベルとは、見た目に反して勉強はできない子なのね。


「ううん、前の学校と教科書が違うから、自分から先生にお願いしたの」



……。


……。


神様、補習を自ら受けたいと思う人がこの世に存在するのでしょうか。

もしかして、木下美波はいい人なんでしょうか。


「佐々木さん?どうしたの?」


「え、設定とちが……ゴホン、いや、木下さんってえらいなと思って」


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