【完】るーむしぇあ。
たしかにそう書かれていた。


これは宣戦布告。

彼女はたしかに私に宣言したんだ。


"私は彼が好き"


だったら、私も言ってやろうじゃない!!


「木下さん!!私だって──」


「佐々木、座りなさい」


「……はい」


しまった。先生のことを忘れてた。


パーマをかけた綺麗な髪を指でくるんと弄びながら、木下美波は声を出さずに笑っている。

私はノートを勢いよく破って、芯が折れるんじゃないかってくらいの強さでシャーペンを紙に走らせた。



『私だって負けない』



戦いのゴングが鳴り響くのが聞こえた。
< 94 / 362 >

この作品をシェア

pagetop