【完】るーむしぇあ。
* * * * *
「ただいまぁ~」
台所から漂う美味しそうな匂い。
「おかえり」
素っ気ない声。
エプロン姿のマイダーリン(自称)。
幸せ。
木下美波め、和希くんとの関係は知らないけども、こんな姿見たことあるのかと聞いてやりたい。
「なんでにやけてんの……」
「っは、いえ、別に」
制服から部屋着に着替えて、ご飯を食べながら、私は和希くんの様子を密かに伺う。
木下美波がもし本当に突然現れた幼馴染っていう設定なら、少しは様子が変になったりするかなとか思って。
しかし、いつものクールな彼のまま。
……よし、ちょっと仕掛けるか。