オジサンが欲しい
【序】女蔓 ーメヅルー
*
縄で縛られて、動けない。
小さな部屋の中にこだますのは、低い呼吸音と、小さな喘ぎ声のみ。
白く、細く、美しい指が、胸の蕾を弄ぶ。
指の腹で何度も蕾をこすったかと思えば、今度はそれを摘まれる。
敏感な部分だけに、摘ままれて捏ねられると、身体に刺激が走った。
「……っ……く……う……っ」
思わず小さな声を上げる。
声を聞くたび、その白い指はますます激しく、蕾をこねた。
そして指を離すと、今度は蕾に紅色の唇を這わせ、ちろりと舌で舐る。
ぴんと立った蕾は、それを敏感に受け止める。
「ふ……っ……」
舌先の温度を感じ、とっさに唇を噛みしめる。
しかしやはり、喘ぎ声がこぼれた。
縄で緊縛されているため、暴れたくても、動くことさえままならない。
右胸がその刺激に慣れてくると、白い指は、そこから手を離して、まだなにも感じていない左胸へと手を伸ばした。
そして、そちらの蕾も同じように責める。
「……く……っ……ふ……」
決して喘ぐまいと声を殺しても、声が出てしまう。
その白い指の先から、その激しさに似つかわしくない、優美な微笑みの声が漏れた。
「気持ちいいの?」
少女は、緊縛した男に、可愛らしい顔で微笑んだ。
男はいま、少女の部屋に監禁されている。
*
< 1 / 19 >