オジサンが欲しい
【序】女蔓 ーメヅルー



*


縄で縛られて、動けない。


小さな部屋の中にこだますのは、低い呼吸音と、小さな喘ぎ声のみ。


白く、細く、美しい指が、胸の蕾を弄ぶ。


指の腹で何度も蕾をこすったかと思えば、今度はそれを摘まれる。


敏感な部分だけに、摘ままれて捏ねられると、身体に刺激が走った。



「……っ……く……う……っ」



思わず小さな声を上げる。


声を聞くたび、その白い指はますます激しく、蕾をこねた。


そして指を離すと、今度は蕾に紅色の唇を這わせ、ちろりと舌で舐る。


ぴんと立った蕾は、それを敏感に受け止める。


「ふ……っ……」


舌先の温度を感じ、とっさに唇を噛みしめる。

しかしやはり、喘ぎ声がこぼれた。


縄で緊縛されているため、暴れたくても、動くことさえままならない。


右胸がその刺激に慣れてくると、白い指は、そこから手を離して、まだなにも感じていない左胸へと手を伸ばした。


そして、そちらの蕾も同じように責める。


「……く……っ……ふ……」


決して喘ぐまいと声を殺しても、声が出てしまう。

その白い指の先から、その激しさに似つかわしくない、優美な微笑みの声が漏れた。


「気持ちいいの?」


少女は、緊縛した男に、可愛らしい顔で微笑んだ。




男はいま、少女の部屋に監禁されている。







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