オジサンが欲しい
【後】女狡 ーメヅルー
言うなり、少女はタンクトップの中から手を出すと、その指先をゆっくりと北上させた。
そしてそれが胸の突起まで辿り着くと、その指は、きゅうとそれを指の腹で摘んだ。
「うっ!」
寺尾は未経験の刺激に、激しく身体をばたつかせる。
そんな寺尾の眼前に、少女はベットの下から手にしたスタンガンを突き出した。
クワガタムシのハサミに似た谷の間で、ちりちりと電気が走る。
無言の脅迫だ。
寺尾は身を竦ませ、とっさに暴れるのをやめる。
「そう、その調子」
少女は満足げに、また手を動かし始めた。
「……っ……」
唇を噛み締め、寺尾は強弱をつけて刺激する手が止むのを待った。
脳さえも眩ませる刺激に、幾度も体がびくりと反応した。
指の腹で撫でられ、摘まれ、何度も捏ねられる。
朧な視界に、楽しげな笑顔を貼り付けた少女がいた。
なにが楽しいのか分からない。
壊したい、と言った少女の言葉が脳裏をよぎる。
嫌な予感が、全身を突き抜けた。