はじめからおわりまで
「南ーっ、どこから歌えばいいの?」

私の存在を忘れたかのように、ギターをケースから出し始めてた南に近づく。


「あ、わりい。今日はここから」

手書きの楽譜を渡される。指さされたところを確認して、うなづく。


「じゃあ、10分後にあわせるか」
「了解」

10分で歌えるようにならなきゃ。

自慢じゃないけど、昔からピアノを習っていたせいか、初見でだいたいメロディーがつかめる。
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