【短編】修学旅行の夜に
奈々に言われた通り、階段を昇った。
すると本当に人が少なくて、でもそこから見える夜景は変わらずとても綺麗だ。
……あれ?
見覚えのある後ろ姿を見つけた。
まさか……
「林クンっ!!!???」
あまりにも驚いたので、
思わず声が出た。
慌てて口を抑えるたケド、意味が無い。
大体さっきまで展望台で女子からチヤホヤされてたのに…
いつのまに来たんだろ…。
気が付くと、
林クンはやっぱりバッチリ聞こえたらしく、振り返った。
そして
「あ、来た。」
微笑む林クン。
え…?
なに、明らかに待ってましたと言っているようなセリフは。
「……えーと…。」
何を言っていいのか分からない私。
「あ、杉下達は来ないから。」
杉下……?
あ、奈々のコトか。
ってえぇ!!!???
どぉゆぅコト?!
頭が着いていけない私。
しかし林クンは更に追い討ちをかけるように言う。
「芽衣子、一緒に夜景見よ。」
……私は夢を見てるのか?
芽衣子って呼び捨て?
一緒に夜景見よう?
…あぁ、夢でも嬉しい。
電車の中で見たキスの夢と同じだ。