【短編】修学旅行の夜に
とりあえず林クンに言われた通り、
戸惑いながらも林クンと2mの間をとって、隣に並んだ。
すると
「…遠くない?」
とすぐさま私に指摘した。
いや…限界です。
これ以上近付いたら…私の心臓の音が聞こえる。
それでもせっかく2人きり(にしてくれた?)
なんだし、勇気を振り絞って少しでも隣に近付こうとした。
…が。
「おいで。」
クイッ―――…
「きゃ…っ」
林クンが私の右手を引っ張って、お互いの肩がくっつくくらい密着した。
さっきまでの距離はなんだったのだろう。
「…………。」
言葉にならない。
私今、死んでもいい…。