【短編】修学旅行の夜に
私達を乗せた特急は、最初の目的地である函館へと向かっていた。
乗車時間は3時間強。
その間、皆はそれぞれトランプや写真撮影などをして、時間を潰していた。
私はというと、そのトランプや写真撮影などを友達とやってから、
隣の席の奈々と恋バナをしてから少し眠った。
朝早かったし、深夜の恋バナトークにも備えて…。
しばらくすると、隣の席で寝ていた奈々が席を立った気配を感じて、
私は少し目が覚めた。
…トイレかな…。
よくよく聞くと、
さっきまでの賑やかさは何処へやら。
車内はかなり静かだった。
皆は寝てるのだろう。
そして私もまた眠くなってきたので、
意識を離した。
――――――――…
ん…夢…?
上半身が少し重い…。
特に顔…。
そして唇に違和感。
唇から優しさと熱が伝わる。
あぁ、キスしてる夢だ…。
キスの相手…林クンだったら良いのに。
現実も、
私のファーストキスは、林クンがいいな…。