響〜HIBIKI〜
玄関の中でTAKAHIROが戻るのを待っていた花奏。


「ただいま〜、って、一緒に帰ってきたっつうの」


花奏の顔を見て、にっこり笑いながらTAKAHIROが言った。


「ふふっ」


花奏もTAKAHIROを見て笑った。


足元がフラつくのか壁に手をつきながら靴を脱ぐ、TAKAHIRO。


「かな、酔った?」


「ちょっとね」


そして、TAKAHIROは花奏の肩に手を回し顔をのぞきながら、


「俺も」


と、酔った勢いでイチャついてみた。


「ね、かな」


「なに?」


「かなって、俺が一番じゃなかったんだ」


少しスネたようにTAKAHIROが言った。


「ん?なに、ヤキモチかな?」


花奏がわざと意地悪そうに言ってみた。


「別に〜」


TAKAHIROも意地悪っぽく言い返しながら、花奏を壁に押し付けた。


花奏は、上目遣いで、


「本当は、TAKAHIROさんが一番だよ」


そう言いながら、TAKAHIROの腰に両手を回した。


「ん、やっぱ小悪魔だ」


そう言いながら、TAKAHIROは花奏のあごをクイッと引き寄せた。


花奏の唇にTAKAHIROの唇が優しく触れる。
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