響〜HIBIKI〜
キャー‼︎という観客の悲鳴のような声が会場中に響く。


司会の声も聞こえない位の声に一瞬、花奏は驚くが目を閉じ深呼吸をする。


イベントも中盤、ついに花奏の出番が来た。


「それでは、今日は素敵なゲストが来てくれてます。登場して頂きましょう。花奏さん、どうぞステージへ」


司会者に紹介され、花奏は落ち着いてステージへ登場する。


拍手と共にどよめきがあがり、TAKAHIROの登場に負けない程のカメラのフラッシュ。


あまりの眩しさに一瞬、怯む。


「花奏さん、公の場に登場するのは今日が初めてということですが、どうですか?緊張してますか?一言お願いします」


「初めまして。少し緊張してます」


そう言いながら、余裕の笑顔だった。


「花奏さん、このTAKAHIROさんの新曲のPVに出演されたことで今、話題になってるのはご存知ですか?」


「え?…全然しりません」


花奏は、司会者の言葉にキョトンとした。


「TAKAHIROさんは、ご存知でしたか?」


「いや、知らなかったです」


TAKAHIROも驚く。


眩しい程のフラッシュはそのせいだった。
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