響〜HIBIKI〜
「そっか、それでか」


TAKAHIROも納得の一言だった。


話は、撮影のことや今日のイベントのことと色々と盛り上がったが、HIROの本題はそれではなかった。


「ところで、そろそろ本題に入ってもいいかな?」


「え?」


花奏は、不思議そうな顔でHIROを見た。


HIROは、真剣な表情で話し始めた。


「かなちゃんに仕事のオファーがいくつか来てるんだけど、今はどこにも所属してないから、うちに問い合わせが来てるんだけど、よかったらうちの事務所で一緒に仕事して行かない?」


花奏は、思いもよらない言葉に言葉が出なかった。


「いつの間にそんなオファーが?」


TAKAHIROも聞かされていなかったようだ。


PVが色んなところで流れ始め、女性誌やモデル事務所などから、花奏についての問い合わせや仕事のオファーが来ていた。


元々、事務所のスカウトがずっと花奏にアポを取ろうとしていたが花奏自身が上京を拒んでいたので、HIROもいつ話を切り出すかタイミングを見計らっていたのだ。
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