響〜HIBIKI〜
TAKAHIROの自宅。


「かな、今日はお疲れ」


「うん、TAKAHIROさんもお疲れ様」


ベットの中で寄り添う二人。


「ねぇ、私が仕事やるって言った時びっくりした?」


花奏は上目遣いで話し掛ける。


「うん、意外だった。もっと、悩むかと思った」


「東京で暮らす為にまず仕事しないといけないって思ったのが一番の理由だけど、島にいた時の私なら、もっと悩んでたと思う」


「事務所からの電話もずっと断ってたくらいだし?」


「んー、それは、TAKAHIROさんに会う勇気がなかっただけだよ」


「なんで俺に会う勇気が?」


TAKAHIROは髪を撫でる手を止めた。


「なんでって…、私のことなんてすぐ忘れちゃうんじゃないかって…」


花奏は、申し訳なさそうにうつむく。


「俺って、そんな軽い奴だと思われてた?」


「そんなことないよ。だって…んTAKAHIROさんは皆のTAKAHIROさんだから…、独り占め出来るわけないと思ってたから」


「そっか。じゃ、今は独り占めしてるってこと?」


「うん…。だから、東京にいたいって…」


花奏が恥ずかしそうに顔を隠しながら、頷く。


「じゃあ、俺もかなを独り占めしようかな。かながよそ見出来ないくらい、俺に夢中にさせる…」


そう言いながら、髪に…頬に…優しい口づけ。


「こっち向いて…」


顔を隠していた手を退けられると、花奏はTAKAHIROを見つめた。


「上目遣いが色っぽくて、ドキドキするんですけど…」


そう言われて、花奏がTAKAHIROの胸に手のひらを当てる。


「TAKAHIROさんのドキドキを感じられるのは、私だけだよね…?」


「そう…花奏もドキドキしてる…?」


TAKAHIROは、花奏の唇へ軽く口づけ、さらに首すじ、そして胸へと…。


「…ぁんっ…やっ……」


「…聞こえる…かなの鼓動が…」


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