響〜HIBIKI〜
「かなちゃん、おはよ!」


朝、TAKAHIROのマンションへ迎えに来た吉川はテンション高めだった。


「おはようございます、吉川さん。なにかいい事あったんですか?」


「なにかって、かなちゃんが仕事やる気になってくれたから嬉しくてさ」


「なんで、ヨッシーが嬉しいんだよ」


車に乗り込んだ二人は、昨日の疲れのせいかまだテンションは低めだった。


「いやぁ、PV流れただけであの反響だからさ、この先どうなるのかと想像するだけでワクワクしてさ」


「って、一晩中ニヤニヤしてたわけ?」


「そうそう」


「キモっ」


「何がキモいだよ。TAKAHIROだって、昨日のイベントで分かっただろ」


「まぁね。でも、かな。回りが騒いでるからって無理しないで自分のペースでやればいいんだからさぁ。今の自然体なかなの方が魅力あるんだから」


「うん、TAKAHIROさんも吉川さんもありがとう」


「でもさ、意外な魅力もこれからどんどん見つかって行くかもしれないしさ、楽しみだなぁ」


花奏は、新しい世界へと踏み出すことに多少不安はあったが、側で支えてくれる仲間がいると思うと安心した。
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