響〜HIBIKI〜
花奏が、可愛いと言われてはにかむと監督は、一層花奏に見入る。


監督は、腕を組み何かを考えていたかと思うと急に、


「花奏ちゃん、ちょっとTAKAHIROと手つないで海岸沿いを歩いてみてくれないかな?」


唐突な話に花奏は目を白黒させた。


TAKAHIROは、花奏の顔を見てにっこり笑った。


「監督、なんかいいことでも思いつきました?」


監督は、海岸を指さしながら目を閉じて何か考えている。


「かな、行く?」


そう言ってTAKAHIROが花奏に手を差し出した。


「え?」


花奏はそういいながら、笑顔に誘われてTAKAHIROの手を握った。


(なんで、私がTAKAHIROさんと歩くのかな?)


そう思いながら、TAKAHIROの顔を見た。


「監督、何考えてんだろ」


「うん…」


二人は、不思議に思いながら海岸へと移動する。
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