響〜HIBIKI〜
「俺は、かなのこと全然知らないな」


「私の事なんて、知らなくていいよ」


「なんで?」


「だって…、東京に帰ったら、すぐ私のことなんて…忘れちゃうでしょ」


「なに寂しいこと言ってるんだよ」


TAKAHIROは、花奏の頭をポンッと叩く。


花奏は、当たり前のこととしか思っていなかったが、TAKAHIROの心にその言葉が何となく引っ掛かった。


犬達は、そんな二人にお構いなしにじゃれてくる。


「二人とも美人だなぁ」


TAKAHIROは、しゃがみこんで2匹の頭を撫でる。
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