響〜HIBIKI〜
「TAKAHIROさん、飲み物どーぞ」


出番の少ない花奏は、スタッフを気づかいお茶出しを手伝っていた。


「あぁ、サンキュー」


「撮影の仕事って、本当たいへんだね。天気待ちとか、食事の手配とか、知らなかったことがいっぱいだもん」


「うん、見えないとこで皆頑張ってくれてるからね」


「スタッフさん達が居なかったら、私みたいな一ファンに、映像だったり音楽が届かないってことでしょ」


「かな、凄いよな。そーゆーところにちゃんと気付くから」


「え、そんな、当たり前のことでしょ」


「そう、当たり前のことだよな。でも当たり前のことに気付けない人もいるからさ」
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