響〜HIBIKI〜
「そうだ、かな、携帯もってる?」


TAKAHIROにそう言われて、花奏がポケットに手をやったが、


「あ、部屋に置いてきちゃった」


TAKAHIROは、自分の携帯をだした。


「じゃあ、俺ので写真撮ろうか?」


「写真?」


「そう、花奏のとっておきの場所で二人で星を見た記念」


そう言うと、手を伸ばして二人の顔がフレームに入るように、TAKAHIROが角度を調節する。


「かな、もっとくっつかないと写らないかも」


そう言いながら、花奏の顔の真横まで顔を近づけるTAKAHIRO。


あまりにもTAKAHIROの顔が近付きすぎて焦る花奏。


「ちょ、ちょっと」


「あー、ギリだな。OK、OK、カメラ見て」


カシャ、という音がして、TAKAHIROは、携帯をのぞき込む。
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