響〜HIBIKI〜
TAKAHIROは、うつむく花奏をじっとみつめていると胸がぐっと熱くなった。


「俺は、また、かなに会いたい」


そう言いながら、花奏の身体を引き寄せ強く抱きしめた。


「TAKAHIROさん…」



少しの沈黙の後、花奏が口をひらいた。



「ねぇ、昼間言ってた、今私が一番大事に思ってることはね…、TAKAHIROさんと一緒にいられる時間だよ。…あと、二日間を大事に大事に過ごしたいな」


「たったの二日だけでかなはいいの?」


「うん、いいの。今、私TAKAHIROさんを独り占めしてるのよ。すごくない?」


かなは、精一杯の笑顔をみせた。


ひょっとしたら、花奏にとってのTAKAHIROは、まだ映像の中で見ている人という感覚かもしれない。
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