響〜HIBIKI〜
第7話 最後の夜
撮影最終日。


かなは、TAKAHIROとの残りの時間を満喫させたいと、朝から張り切っていた。


朝食は、花奏の手作りだった。


「お味噌汁、味薄くなかった?」


「この位が丁度いいよ。」


「よかった」


「オーナー達は?」


朝食は二人だけだった。


「明日の打ち上げの準備があるから忙しいみたい」


「そっか、明日はここで打ち上げなんだ」


明日の夜はこのペンションに撮影スタッフ達も集合する。


「明日は、バーベキューだって」


「おっ、ここのテラスでバーベキュー?景色いいし、最高じゃん」


「そう、天気良さそうだしよかったよね」


「よっしゃ、明日のお楽しみの為に今日の撮影もビシッと決めて行こ」


TAKAHIROも花奏も最後という言葉を口にしなかった。


心の中では、もっともっと一緒にいられたらと思っていた。
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