響〜HIBIKI〜

二人は、移動車に乗り込む。


普段ならただの移動だが、島の景色を楽しみながらのちょっとしたドライブ気分だ。


「向こうに港が見えるね」


「うん」



「最初に来たとき、すごいいい島だなって思った」


「本当？」


「空気もきれいだし、ペンションの窓からの景色見たら海外に来てるのかって勘違いするほどだったしなぁ」


TAKAHIROは、島に来た日を思い出した。


「あ、あれ学校？」


「うん」


学校らしき建物を指差した。


「かなも通ってた？」


「うん、今も時々ピアノの演奏とかで呼ばれていったりしてるよ」


「ふーん、俺、学校行く機会なんてほとんどないからなぁ、たまに撮影とかで廃校になった学校は行くけど」


「島の子供達、素朴ですごく可愛いいの」


かなは、優しい笑顔でTAKAHIROに話掛ける。


「かなは、子供好きなんだ」


TAKAHIROは、かなが子供達と触れ合っている姿を想像してみた。


「うん、子供達から元気貰えるしね」


「そっか…、いいなぁ、ここなら子供達も自然に囲まれてのびのび出来て…。俺もこの島に移住したいなぁ〜、あ、かなん家のペンションで働かせて貰おうかな？」


「TAKAHIROさんがうちで働いてたら、お客さん、いっぱい来そうだね。予約、何カ月待ちとかになりそう（笑）」


かながいたずらっぽく笑うとTAKAHIROも、

「よかった〜、俺の次の就職口見つかった（笑）」


と笑った。


「EX☆LE引退したら、ペンションの従業員？（笑）」


「結構似合いそうじゃない？」


「うん。ペンション暇な時はサーフィンとかしてそう」


「マジ、いいじゃん！」


二人は、冗談をいいながら短いドライブを楽しんでいた。