響〜HIBIKI〜
「昼間ピアノの音が聞こえてたのは…、ひょっとして、娘さんが?」



「聞こえてましたか?誰に似たのか、子どもの頃からピアノが好きで、東京の学校まで行ったんですよ。今は、島に戻って子供たちにピアノを教えてますけどね」


オーナーがそういうと、TAKAHIROは自然と窓際に置かれたピアノに目を向けた。


それと同じタイミングで、玄関のドアの開く音がした。


「ただいま〜」


「あっ、帰って来たな」


いつものようにダイニングへ入って来たのは、オーナー夫婦の娘の花奏だ。


「あっ。」


花奏は、ダイニングの入口で立ち止まり固まった。


目を大きく見開いて、瞬きを繰り返す。


自分の目を疑った。
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