響〜HIBIKI〜
夕食の後、TAKAHIROはソファにもたれ、かなのピアノを聴きながらうっとりとしていた。


どこにでもいる恋人同士のようだった。


TAKAHIROがうとうとしかけたのを見てかなはピアノを閉じ、TAKAHIROの隣に腰掛けた。


「東京だったら、こんな風に 2人でのんびりすることなんてできないよね」


「そうだな。マスコミはいないし、うるさいマネージャーもいないし」


「そんなこと言っていいの?今頃くしゃみしてるかもよ。大事なマネージャーさんでしょ?」


「かなと一緒にいるときはお邪魔虫だからなぁ」


二人は笑った。


TAKAHIROの目が閉じていく。


「眠い?」


「うん、かな、膝枕して」


「いいよ」


TAKAHIROはかなの手をしっかりと握り、かなの膝に頭を乗せる。



本当に夢のような時間だった。
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