響〜HIBIKI〜
一ヶ月程が過ぎ、編集された映像が出来上がってきた。


ミーティングルームで映像が流される。


「この子が例のかなちゃんか〜。いいね」


「TAKAHIRO君のファンだったから、引き受けてくれたんですけど、次はないって言ってましたよ」


撮影に同行したスタッフが内訳を話す。


「勿体ないなぁ」


「一度こっちで会いたいってオファーはうちのスカウトがしてるみたいですけど。ちょっと前まで東京に住んでたらしいですけど、最近地元に帰ったって話です」


「ま、彼女の件はおいおい…」


「まぁ、DVDが発売されて、話題になればまた状況が変わるんじゃないですかね」


花奏の気持ちとはよそに、花奏の話題が一人歩きし始めていた。
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