響〜HIBIKI〜
一方、TAKAHIROはステージ裾でスタンバイしていた。


オープニング映像が流れる間、もう一度精神集中する。


目を閉じて、静かに拳を胸にあて深呼吸した。


「ヨッシャ」


気合いを入れてステージへ。


花奏がいるとは思いもしないまま。


メンバーの登場に会場から歓声があがる。


花奏は、TAKAHIROの姿をジッと見つめる。


周りの歓声、眩しい程の光を浴び、そこにTAKAHIROがいた。


島での一週間、ずっと花奏のそばにいてくれたTAKAHIROがそこにいる。


花奏は胸が張り裂けそうになった。


思わず目を閉じた。
< 81 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop