響〜HIBIKI〜
衣装チェンジでバックへ下がるとTAKAHIROはマネージャーを呼んだ。


「アリーナの一番前、かながいるっ」


衣装を脱ぎながら、真剣な顔つきでそういう。


「え?かなちゃんが…、そんな訳ないだろ」


東京に来て欲しいと何度もオファーして断わられたことを知っている者は皆TAKAHIROの言葉を疑うだろう。


「マジだって」


TAKAHIROは、衣装チェンジが済むとモニターで必死に花奏の姿を探す。


「TAKAHIROさん、次のスタンバイお願いします」


スタッフにせかされ、次のスタンバイの位置へ走る。
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