響〜HIBIKI〜
花奏は、楽屋へと案内された。


廊下は大勢のスタッフが行き来し、先程までのステージの臨場感が伝わってくる。


ステージで見たことのある、バンドメンバーとすれ違ったり、花奏の知らない世界が目の前でぐるぐると流れて行く。


「かなちゃん、ここでちょっと待ってて」


「はい」


花奏は案内された部屋にはいり、入り口から動けないままでいた。


廊下を通る人の声がザワザワと聞こえるが、こちらは来客用の部屋なのかひっそりとしている。
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