響〜HIBIKI〜
「じゃあ、帰りはかなちゃん降ろして、TAKAHIRO降ろして…」


移動の車内でマネジャーが予定を立てているのを見たTAKAHIROは、


「かな、俺ん家来る?」


そう言った。


TAKAHIROの発言に花奏とマネージャーの動きが止まる。


「え?TAKAHIROさんの家?」


「それは、マズイだろ」


「何日もホテルじゃ不便だしお金もかかるし、ヨッシーもその方が楽じゃん」


TAKAHIROは、悪びれた素振りもなく当たり前のように言った。


「俺は、仕事だからいいけど、確かにかなちゃんには不便かな」


マネージャーは、頭をかきながらかんがえる。


「ホテルで大丈夫だよ」


花奏が否定すると、


「一ヶ月も会えなかったんだし…、とりあえず、イベントが終わるまで、ね、ね、ヨッシー、お願いします。ほら、かなも」


TAKAHIROは手を合わせてマネージャーに頼み込む。


「あー、お前らの秘密に付き合うのは大変だよ。もぉー、さっさとホテルに荷物取りに行くぞっ」


「マジっ⁉︎よっ、さすが、敏腕マネージャーっ」


花奏と会えなかった一カ月間のTAKAHIROをずっと見ていたマネージャーとしては、このわがままに付き合わずにいられなかった。
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