牙龍 私を助けた不良 下



動かなくなってしまった凜華に歩み寄りながら、言うべき言葉を放つ。



「凜華」


「・・・・・」


「──お前は今のままでいいのか?」


「・・・・それは──」



小さな声が、雨音に包まれた部屋にやけに大きく響いたような気がした。そして動揺と困惑が、手に取るように分かった。


凜華のすぐ傍まで行くと、彼女の隣にいたミライがすっと立ち上がり、俺達から離れていった。


後を視線で追えば、先程通ったネコ窓から部屋を出て行ってしまった。


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