牙龍 私を助けた不良 下



兄さんが許可したみたいで、8時くらいまで帰ってこない。まぁ兄さんも、帰ってくるのはそのくらいらしい。


つまり、現時刻は五時なので、私一人がかなり暇だということを暗に示している。



「・・・はぁ、暇すぎる」



呟くと何か余計に虚(ムナ)しくなって、また溜め息が溢れた。


ゲームはすぐに飽きるし、読書はそんな気分じゃないし、散歩は用がないから面倒だし・・・やることがない。


仕方無いと思い立ち、横たえていた体をソファーからよっと声を上げて起こすと、二階にある自室へ向かった。



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