牙龍 私を助けた不良 下



──それから少しして。


私は繁華街にある、有名な大型店舗に来ていた。私がいるのは四階の十代から二十代女性に人気の、服のブランド店である。


服屋に来るときは、いつも桃華に付き添ってくるから、一人で来ることに多少の違和感を感じずにはいられなかった。


それにしても、何を選んであげればいいだろう。何だったら、桃華は喜んでくれるんだろうか。


これから暑い夏が来るし、ワンピースなんかがいいかもしれない。ここのお店には、そういうタイプの服が多かったはずだし。


一卵性の双子のせいもあってか、私と桃華の体格は身長とか微妙な差を除いたら、ほとんど変わらないからサイズは分かる。


・・・後は、デザインかな。


生地は肌触りのいいものがいいと思う。色は白色で、なるべくシンプルで可愛い感じのものがいいと思う。



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