牙龍 私を助けた不良 下



ソファーに深く座っていたこと、背丈が低かったこと、扉が私の背後にあったこと。


色んな要因が重なっていたから、隣に立つまで分からなかったらしい、入って来た人物は私を見て首を傾げた。



「・・・誰?」


「(・・・こっちのセリフだ)」



顔を上げれば、今時あまり見なくなった黒髪黒目の有宮と同じ年くらいの青年が目に写った。


じっと見上げると、困惑したような表情を浮かべながら有宮を見て、不思議そうにまた首を傾げた。




< 50 / 89 >

この作品をシェア

pagetop