牙龍 私を助けた不良 下
「ちょっとだけ早いけど、私と戒希からのクリスマスプレゼントだよ」
「え・・・?」
「凜華ちゃんに日頃の感謝を込めて、だよ」
えへっと笑う桃華に、思わず頭を撫でてしまう私はやはり、桃華に甘いのだろうか。
中学校に入ってから、あんまり桃華に構ってあげることが出来ないでいたから、いい機会なのかになったのかもしれない。
家に帰るのも今の状況になっていなければ、多分補導される時間になっててもおかしくなかったから。
私のことを、彼女は何も知らない。いや、彼女だけじゃなくて戒希もひなたも、誰も私の秘密なんて知らない。
私にとって、私のことを知られるのはいいことではない。