牙龍 私を助けた不良 下
『強さ』は、すべてが『力』だけで決まるようなものなんかじゃない。
それは、簡単なとても分かりやすい原理がある。
強さが力だというのならば、どうして圧倒的な差がある弱者が強者に勝てるというのか分からない。
そこにある力の強さの差なんて関係無くて、込められた『心』だって、それは確かに証明されていることだから。
『力を求めたいというのなら、私にお前は必要ない』
『でもっ、力が無かったら強くなんてなれないんです!!』
『それなら、尚更要らないな』
『そんなっ・・・!!』
『そもそも、お前は強さの本質というものを履き違えている』
私が緋龍と呼ばれるようになったのは、『本当の強さ』を教えて貰ったから。
きっと彼も、そのことに気付けたら強くなれると思ったから、つい紡いでしまった言葉。