牙龍 私を助けた不良 下



それでも、そうであったとしても分かったのは、責められたり自分が悪いと言われ無かったら、苦しいだろうということ。


分からなかったのは、責められて自分が悪いと言われたら、その苦しみはなくなるのか。それで満足できるのかということ。



「お前はそうされたら、苦しくなくなるのか?」


「・・・・・」



身体を離して真っ直ぐ目を見ながら、もう一度問い掛けると、凜華は大きく目を見開いた。


彼女は色を失った唇を震わせ、言葉を紡ごうにも紡げなくなっていた。



「何か、理由があるんじゃないのか」




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