牙龍 私を助けた不良 下
「それならっ、それ以外にどんな最善策があった!?」
当時は14才で、ようやく社会的責任を自分が払わなくてはいけなくなる年。
まだまだ十分に幼くて、大した知識を持たない無知だらけだった私が、絞り出した最善策。
私が必死に考え出した最後の最善策。忘れる、なんて無責任なことはしたくなくて。
木藤の胸元を掴みながら、これでもかと叫ぶ。私が思っていたことを。
「あったなら、いくらだってやったのにっ」
「・・・・・」
「それがないって言うんだったら、」
──お願いだから、私を否定しないで。
最後は力が抜けて、まるですがりつくかのように、木藤の胸元に額を当てた。
すると、箍が外れたように目が熱くなって涙が溢れて、ぽたぽたと床に落ち始めた。