私は彼に愛されているらしい2
「まずは式場選びか。どういうのがいいの?」

「アカツキくんは私が決めていいと言ってます。勿論2人が納得する場所にするつもりですけど、やっぱりガーデンには憧れがあって。」

「うんうん、そうよね。」

さっきまでの空気とは変わって一気に花が咲きそうな明るい雰囲気になった。

沈んだ表情は笑顔になりご飯も美味しくなったようだ。

アドバイスやこれまで出席した友人たちの結婚式の話などどんどん話が盛り上がり、気づけば昼休みも終わりの時間が迫っていた。

舞の笑顔を見たのは久しぶりだ、そんなことを思い微笑みながらみちるは仕事に戻っていく。

昼休みも終わり15時頃になってようやく有紗は自席に戻ってきた。

しかし工場に向かう装備のまま着替えようとしないことからまだ終わっていないのだろう。さすがに表情に疲れの色が出ていた。

この前の失敗だけが原因ではない。

他部署の要望などが加わり大がかりな設計変更が決まって負荷が高かった。

東芝も真剣な顔付きでチーフと話を進めている。

「持田さん。」

「はい!」

有紗はそのなかに呼ばれ話に加わった。

話が進めば進むほど全員の表情が渋くなっていくのが分かる、時折有紗が資料を取りに自席に戻ったり端末に動いたりしていた。

「持田さん、今日の変更点のまとめは?」

「こちらにあります。」

「二個前の資料出して。」

「はい。」

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