私は彼に愛されているらしい2
結婚話によって合わなくなった2人の感覚、有紗が感じたこと、大輔の言葉、一度おいた距離の意味も大泣きした挙げ句に結婚が白紙になったことも全て。

話していくうちに深く自分の中に入り込みそうだったが、チラリと視線を向ければ険しくなる舞とみちるの表情に苦笑して呼吸を整え有紗は話続けた。

そして、恋人をもう一度やり直そうと手を取り合ったことも伝えるとようやく2人の表情も幾分か和らいだのだ。

「やっぱりさ、あんたたた揉めすぎじゃない?」

「いやでもこんなものですよ。言うか言わないかだけで皆抱えているものはあります。有紗、よく頑張ったね。」

舞の言葉に先に反応したのはみちるで擁護の意見を口にした。

その言葉の意味を舞も有紗も理解したのか何も言えずに困った風に微笑む。

みちるも結婚を決めた後は幾つか揉めたのだということを思い出したのだ。

しかしみちるはそれを乗り越えて前に進んだ、だからこそ彼女の言葉が有紗には少ししみる。

「昨日のことですよ、大輔ともう一度やり直そうって決めたんです。思えば友達から急に婚約者になって全然恋人らしいことしてないんですよね。どうやら私それが不満だったようで。」

「分からなくもないけど。」

「もう少し違う形で関係を変えていけたなら良かったのかもね。」

理解を示す舞に続いてみちるも寄り添う言葉を向けた、それが嬉しくて有紗は少し照れくさそうに微笑む。

「まあその辺を含めて女子会でも開いてブチまけあいますか。だったら早い方がいいわよね。」

「ですね。」

「明後日の水曜日はどう?イベントもない時期だし定時で上がれるでしょ。西島たちも多分予定はないだろうしね。」

舞の提案に賛成のみちるは言葉なく頷いた。

とは言え西島たちの予定云々に関しては視線を逃がして苦笑いをする。

有紗も同じような反応かと様子を伺えば思いの外不味そうに固まっていたのでみちるは首を傾げた。

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