私は彼に愛されているらしい2
「え?あれ!?」
「工場が続いていたので外してたんです。でもまあアレですけど。」
どう捕らえてくるのか試してみたくてわざと明確な言葉を使わずに返事をしてみた。
つまりはやり返し。
チーフが何を伝える前提でこの話題を持ちかけたのかはまだ分からないが、既に行き先は決まっているようなので少し強気だった。
今から何をどうしても覆らないのだ。
「アレね…。確かに変に勘ぐって嫌な言い方になったかもしれないけど持田さんも意地悪だな。」
参ったと肩を竦めながら両手を挙げる様子は有紗が予想したものとは少し違った。
どう答えようか探している間にチーフはさらに言葉を続ける。
「どう?車両設計に来て息苦しくはない?私はあまりいい上司じゃないかもしれないけど、少し位はフォローしたいと考えてたんだよ。」
ますます反応に困った有紗はかろうじての相づちしか出すことが出来ない。
瞬きを繰り返してまだ続くであろう言葉をそのまま待つことにした。
「結論から言うとね、持田さんの次の行き先は小型車の設計部署。因みに上司は東芝くんね。」
「えっ?」
「東芝くんが君を引っ張っていった。だから私が聞きたいのは1つ、仕事を辞める予定はないよね?ってこと。」
驚きが最初に襲ってきて思考が固まったのは僅かなこと、その後は嬉しさで涙が出そうになった。
いや、既に目には涙が浮かんでいたらしい。
「そんなに嬉しい?」
柔らかく表情を崩したチーフが優しい声で有紗に問う。
「工場が続いていたので外してたんです。でもまあアレですけど。」
どう捕らえてくるのか試してみたくてわざと明確な言葉を使わずに返事をしてみた。
つまりはやり返し。
チーフが何を伝える前提でこの話題を持ちかけたのかはまだ分からないが、既に行き先は決まっているようなので少し強気だった。
今から何をどうしても覆らないのだ。
「アレね…。確かに変に勘ぐって嫌な言い方になったかもしれないけど持田さんも意地悪だな。」
参ったと肩を竦めながら両手を挙げる様子は有紗が予想したものとは少し違った。
どう答えようか探している間にチーフはさらに言葉を続ける。
「どう?車両設計に来て息苦しくはない?私はあまりいい上司じゃないかもしれないけど、少し位はフォローしたいと考えてたんだよ。」
ますます反応に困った有紗はかろうじての相づちしか出すことが出来ない。
瞬きを繰り返してまだ続くであろう言葉をそのまま待つことにした。
「結論から言うとね、持田さんの次の行き先は小型車の設計部署。因みに上司は東芝くんね。」
「えっ?」
「東芝くんが君を引っ張っていった。だから私が聞きたいのは1つ、仕事を辞める予定はないよね?ってこと。」
驚きが最初に襲ってきて思考が固まったのは僅かなこと、その後は嬉しさで涙が出そうになった。
いや、既に目には涙が浮かんでいたらしい。
「そんなに嬉しい?」
柔らかく表情を崩したチーフが優しい声で有紗に問う。