私は彼に愛されているらしい2
「たまには家族サービスするって言ってましたよ。奥さんもお子さんも楽しみにしてるって。」
東芝との会話を思い出しながら有紗が言葉にすると聞いている態勢のまま舞もみちるも完全に動きを止めた。
いま、今日の早帰りよりも信じがたい言葉を耳にしたような気がする。
「…え?」
*
「家で待ってろ。すぐに行く。」
そう言うなり有紗の返事を待たず大輔との電話は切れた。
唐突すぎたのだろうか。
結婚してほしいとプロポーズをした瞬間から無言を貫かれたかと思いきやその言葉を最後に電話が切れてしまったのだ。
勢いでやってしまった。
やはり駄目だったのだろうか。
途端に襲ってくる後悔の念に肩を落としてその場に座り込んでしまう。
「…はあ。」
もう今しかないと思ったのに、やはりまた自己中心的に動いて大輔に嫌な思いをさせたのだろうか。
暫くぼんやりとしてどう謝ろうか考えていると、聞き覚えのあるエンジン音が耳に入ってきた。
音の動きだけで駐車場に入ったのが分かる。
ドアを閉める音、そしてその人物は階段を駆け上がり有紗の部屋の前に止まってチャイムを鳴らした。
「は、はい!」
東芝との会話を思い出しながら有紗が言葉にすると聞いている態勢のまま舞もみちるも完全に動きを止めた。
いま、今日の早帰りよりも信じがたい言葉を耳にしたような気がする。
「…え?」
*
「家で待ってろ。すぐに行く。」
そう言うなり有紗の返事を待たず大輔との電話は切れた。
唐突すぎたのだろうか。
結婚してほしいとプロポーズをした瞬間から無言を貫かれたかと思いきやその言葉を最後に電話が切れてしまったのだ。
勢いでやってしまった。
やはり駄目だったのだろうか。
途端に襲ってくる後悔の念に肩を落としてその場に座り込んでしまう。
「…はあ。」
もう今しかないと思ったのに、やはりまた自己中心的に動いて大輔に嫌な思いをさせたのだろうか。
暫くぼんやりとしてどう謝ろうか考えていると、聞き覚えのあるエンジン音が耳に入ってきた。
音の動きだけで駐車場に入ったのが分かる。
ドアを閉める音、そしてその人物は階段を駆け上がり有紗の部屋の前に止まってチャイムを鳴らした。
「は、はい!」